記念日は1月21日

読書記録

1冊目 「車輪の下」

 

山のてっぺん、玉座は私が占めた。扇で仰いだ風で上空の雲が晴れた。新たな視界の先には、峻険な山並みが広がっていた。見上げるほどの。

ここはまだ低い。うちなる使命感に促され、見る限りで最も高いあの山に登ることにする。まずは下山だ。下界にてしばしのバカンス。豊かな幸せを心にしまい込み、そして登る。以前より登頂志願者が多い。長い長い道のり、1人というのは訳もなく寂しい。途中であった青年と仲良くなる。その青年は、独特な性格ゆえ周りとよくトラブルを起こした。彼が大きなトラブルをついぞ生んだ時、己の弱さに負け、困っている彼を見捨てる。彼と私の間にできた大きな溝は私の心を蝕み不安にさせた。なんとか再度溝を埋めるも、周囲の人に揉まれいつのまにかはぐれてしまう。孤独に侵され絶望に屈し、足取りが重くなる。周りに促されるまま、下界に戻る。

見下ろしていた視界に魅力はなく白黒に写っていたが、住めば都で徐々に色が戻る。戻っているように感じる。自分に言い聞かせる。下界はいいところだ!!!

ふらつく足元に連れられるまま、意識のないまま、温もりに包まれる場所へ。母体の中のように。もう一度生まれ変わればいいのではないか。もう一度生まれ変わろう。